十勝岳

十勝岳

十勝岳は約50万年前から活動している火山で,十勝岳や美瑛岳・美瑛富士・オプタテシケ山など10個あまりの火山が集まって火山列をつくっています。それらを総称して「十勝岳」とか「十勝岳連峰」、また「十勝岳火山」というふうに呼んでいます。十勝岳温泉は標高1280mに湧く、道内最高所の温泉。十勝岳温泉の露天風呂では十勝連峰の雄大なパノラマを見ながら湯浴みが楽しめます。十勝岳には夏場は登山客、秋は紅葉見物の観光客が多く訪れます。

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十勝岳の火山活動

十勝岳の火山活動史は古期・中期・新期と3分されています。古期には富良野岳ができました。白金温泉には、中期の白金溶岩とその下に白金砂礫層が露出しています。白金砂礫層は古期と中期の境目の時期に堆積しました。十勝岳山頂部は溶岩ドームでできています。これは中期の最後に噴出しました。新期にはいって(約1万年前),美瑛富士や鋸岳(のこぎりだけ)が成長しました。もっとも新しい過去3000年間の噴火活動は,噴火の堆積物から詳しく読みとることができます。

十勝岳の噴火

最近3000年間の噴火は十勝岳の北西斜面に活動が限られています。いくつもの火口が開いて溶岩や火砕流が噴出しました。火砕流の本体部分は白金温泉まで流れました。火砕流のサージ部分(ガスに富む細粒火山灰の多い流れ)はもっと遠くまで流れ下ったはずです。泥流堆積物も最近の調査で何枚も見つかっており,被害が大きかった大正噴火の他に,過去にも上富良野原野に堆積したことが確認されています。1857年以降は5回の噴火がありました。1926年には水蒸気爆発に起因した岩なだれがおこり、その崩壊物は残雪を融かして大規模な泥流となって川を流れ下り、30分以内に美瑛町や上富良野町へ達しました。十勝岳の噴火は粘性の低い玄武岩質安山岩マグマが引きおこすのですが、火砕流をたびたび噴出させるなど、爆発的な噴火をするので、玄武岩に近いマグマといえども穏やかな噴火をするわけではないので、噴火がおこった場合は厳重な注意が必要です。

十勝岳の噴火の歴史

十勝岳の噴火の歴史を下記にまとめました。

1926年(大正15年)-1928年(昭和3年)の活動
1926年に小規模な爆発的噴火をくり返しおこし、その後活動は徐々に衰えて1928年12月には活動は終息しました。総噴出量はせいぜい2万トンに過ぎませんでした。しかし、1926年5月24日の爆発で中央火口丘の北西半が破壊され、岩なだれとなって崩落しました。崩壊物は積雪を融かして二次泥流となって,美瑛川と富良野川に流木を巻きこみながら流れ下りました。そしてふもとの上富良野原野に達し、144名の犠牲者がでました。崩壊量は300万トンに達しています。
1962年(昭和37年)の活動
1962年6月に爆発的な噴火が始まり、その噴煙柱は高さ12000mにも達しました。噴煙が成層圏まで達するような規模の噴火は、今世紀日本では4回だけしかおこっていません。その一つが1962年の十勝岳噴火だったのです。この時の爆発音または空振は、東は別海町、西は虻田町までも感じられています。火山灰は東の風にのって運ばれ、道東一帯に広く降灰しました。降灰は中部千島列島にまで達しました。噴出量は1億トンと見積もられています。これは有珠山2000年3月31日噴火の100倍以上の火山灰量です。
1988年(昭和63年)-1989年(昭和64年)の活動
1988年12月16日、1962年噴火でできた62-・火口から噴火が始まり、水蒸気爆発やマグマ水蒸気爆発を間欠的に23回くり返し、1989年3月5日に終息しました。噴出物の総量は100万トンで、そのうち新しいマグマに由来するのは20%あまりでした。気象庁の職員によって噴火の瞬間がビデオ撮影されました。赤い火柱があがるとともに黒い噴煙が斜面をかけ下る様子がみられました。それはまさに火砕流が発生したのです。流走距離は1kmあまりで小規模なものでした。しかし二次泥流は望岳台近くまで流れました。この時の噴火では直径20mの巨大な火山弾が放出されました。また避難小屋のあたりまで噴石を飛ばしています。

噴火記録

十勝岳火山群は、およそ200万年前にわたる数々の噴火活動によって現在の山容を形成してきましたが、十勝岳は歴史時代になってからも噴火を繰り返し、大きな災害をもたらしてきました。なかでも、十勝岳山頂北西側のグラウンド火口内では、過去150年の間に、安政4年(1857年)、明治20~21年(1887~88年)、大正15~昭和3年(1926~28年)、昭和37年(1962年)および昭和63~平成元年(1988~89年)の5回の顕著な噴火記録があります。大正15年(1926年)の噴火では、主に融雪型泥流により144名が、また、昭和37年(1962年)の噴火では、火山岩塊の落下で5名が死亡していて、特に火山噴火防災対策を必要とする火山です。

十勝岳の登山道

十勝岳の登山ルートは多様です。望岳台、吹上温泉、十勝岳温泉など比較的高い標高まで舗装道路が整備されていて、また山容も比較的なだらかで夏は一般登山者でも容易に登頂することが出来ます。そのため、高校生の集団登山によく利用されています。一方で積雪期の新得町側からの入山や各山からの縦走は難易度が高く、熟練した登山者が挑むにも適した山です。

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十勝岳の登山ルート

十勝岳の登山ルートには3つあります。

(1)望岳台コース
望岳台登山口より入山、摺鉢火口を通り、前十勝岳を回り込むようにして登ります。大正噴火の泥流跡を登ることとなり最も容易なコースです。美瑛岳への分岐の直後に十勝岳避難小屋が設置されていましたが、2006年春に積雪により破損しました。北海道は予算上建て替えを断念し、2006年9月に解体されましたが、その後、美瑛町が2008年10月に旧避難小屋の上手、標高1330m付近に避難小屋を再建し、現在は利用可能となっています。
(2)三段山コース
吹上温泉、あるいは十勝岳温泉より三段山(1,748m)に登頂し、大砲岩から「馬の背」と呼ばれる部分を通って登頂します。現在では危険なため通行禁止となっているコースです。
(3)上ホロカメットク山コース
十勝岳温泉より入山し、安政火口から上ホロカメットク山へ登頂、「馬の背」と呼ばれる部分を通って十勝岳へ登るコースです。火口付近の一部は、現在も300度を超える高温となっています。立ち入り規制に従うのは当然のこと、状況に応じて引き返す判断も求められます。
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